アラウンド・チャイナ

ガイドブックにはあまり載らないニッチな中国旅行指南

太湖に行くなら西山へ②〜洞天福地・林屋洞で仙人と出会う!〜

十大洞天のひとつ林屋洞 日本人の多くは無神論者であり、かつ世界的には仏教国のひとつと見られているが、その思想の根底には、儒教の影響が大きいように思う。年長者に敬語を使うこと、学校の先輩・後輩関係、電車でお年寄りに席を譲ること、これら全て儒教…

太湖に行くなら西山へ①〜漁洋山から西山大橋&太湖を望む!〜

漁洋風景区から見た太湖大橋 江蘇省の地図を見ると、その南部に巨大な湖が広がっているのがわかる。どれくらい巨大かといえば、その広さ2420㎢! なんと日本一の広さを誇る湖、琵琶湖の3.4倍にもなる。 上の地図を見ればわかるように、東は蘇州、北は無錫、…

孫子は蘇州で兵法書を書いた?孫子テーマパーク・穹窿山に行こう!

復元された孫武苑に置かれた孫武像 突然だが、中国における春秋戦国時代というのは、進化の過程におけるカンブリア紀に似ている。 matome.naver.jp カンブリア紀の海は壮大な進化の実験場で様々なボディデザインを持つ生物が登場したと言われているが、中国…

蘭州が世界に誇る蘭州ラーメンを本場&神保町で食べよう!

馬子禄牛肉麺の蘭州ラーメン 蘭州には見るべきものが特にないという話を前回書いたが、食べるものは別だ。そう、ここ蘭州には中国中にその名を轟かせる蘭州ラーメン(中国では蘭州牛肉麺と呼ぶ)があるのだ。なぜ蘭州ラーメンが有名かといえば、理由は単純で…

黄河に架かった初の鉄橋!中山鉄橋が重要な観光地になった秘密を探る!

蘭州の象徴・中山鉄橋 西安からシルクロードを進み、最初に通る大きな街が蘭州(lán zhōu:ランジョウ)であるが、正直、シルクロードから想起するようなエキゾチックな雰囲気はこの街にはない。日本でも話題の蘭州ラーメンは中国では「蘭州牛肉麺(lán zhōu…

【閑話休題】台風接近中の今だから振り返りたい四川大震災の爪痕

2008年10月、都江堰にて 今、部屋中に響き渡る大きな雨音を聞きながら、この原稿を書いている。ご存知のように巨大な台風19号が日本列島に接近。今夜には関東を直撃するということで、戦々恐々としている。昨日は本来、ブログの更新日であったが、それよりも…

近すぎちゃってどうしよう!魅惑のB級水族館「無錫海底世界」へ行く!

無錫海底世界のメインイベンターであるゴマアザラシのみなさん 日本だと、八景島シーパラダイスしかり、江ノ島水族館しかり、はたまた鴨川シーワールドしかりと水族館は海のそばにあることが多いが、海のそばに街のない中国の場合(というか圧倒的に海に接し…

老子に仏像、孔子像!神々がカオスの島・仙島へわたる!

仙島のランドマーク・黄金の老子像 琵琶湖の3.4倍の面積を誇る太湖にはいくつか島がある。最も大きい島は西山で、ここは蘇州の銘茶・碧螺春の産地として有名。続いて有名なのが西山の南に位置する三山島で、約1万年前のほ乳類の化石が大量に発掘されたこと…

君の知らない異国の街へ!無錫旅情の歌碑を訪ねる!

鼈頭渚公園に設置された「無錫旅情」の歌碑 中国は広く、多くの都市があるが、それでも世界的に知られているのは北京と上海くらいなものだろう。ほか、歴史好きの人ならば西安、洛陽。場合によっては敦煌なんて名前も出てくるかもしれない。 しかしながら、…

日本のチャーハンの源泉は揚州にあり!本格揚州炒飯を作ろう!

揚州炒飯 さて、これまで当ブログでは四川料理に山東料理、安徽料理、福建料理と様々な地方の中華料理を紹介してきた。 www.morientes.jp www.morientes.jp www.morientes.jp www.morientes.jp 中華と一口に言っても、実に様々なことがわかるが、しかしなが…

先人たちの日中友好の努力を知る!鑑真ゆかりの大明寺を参拝!

揚州・大明寺 前回、紹介した痩西湖の北隣に、とある仏教寺院が立つ。大明寺(dà míng sì:ダーミンスー)といって隋代に建てられた古刹だ。隋の文帝(楊堅)の誕生日を祝し、仏舎利を納める塔を全国に30座建てたうちのひとつで、当時は塔の名前をとって栖霊…

かつての栄華の象徴!揚州・痩西湖は湖ではなく巨大庭園だ!

痩西湖から五亭橋を望む 南京の東に中国全土に酢の産地として知られる鎮江という街があるが、その鎮江の北、長江の対岸に揚州(yáng zhōu:ヤンジョウ)という街がある。人口は453.1万人で、日本で言えば福岡県の人口より少なく、静岡県よりも多いことになる…

知ってるようで知らない福建料理の世界を探る!

By Photo taken by SunSuke (さんすけ) - http://gold.ap.teacup.com/tabemakuri/550.html, CC 表示-継承 2.5, Link 日本において、福建料理という名称はそこそこ普及している。おそらく広東料理と四川料理に匹敵するのではあるまいか。しかしながら、では「…

脱中華色を求めて厦門へ!欧米の景色を求め、いざコロンス島へ!

コロンス島・日光岩からの眺め 長らく中国にいると、突然、中華っぽくない所に行きたくなる。外国に行くのが手っ取り早いが、時間もお金も足りない時にはそうはいかない(もっとも外国に行っても、例えばマレーシアのペナンなど、ほとんど中国と一緒の場所も…

昔の中国の街づくりを知るには福州へ!三坊七巷で夜の街を徘徊する!

ライトアップされた三坊七巷 京都や札幌の住所に「条」を使うのは、条坊制(左右対称で碁盤目に設計された都市)のなごりだが、その発祥は当然、中国にあるとされる。しかしながら、現在の中国に条坊制という言葉は残っていない(昔は使っていたが今はなくな…

【閑話休題】中国の超有名説話「白蛇伝」のスポットを回ろう!

nannziさんによる写真ACからの写真 日本最初のカラー長編アニメーション映画が作られたのは1954年のこと。記念すべきその作品は、僕はすっかり手塚治虫作品だと思っていたのだが、意外や意外、東映が手がけた「白蛇伝」だったらしい。 www.youtube.com もち…

八大菜系のひとつ安徽料理はとってもワイルドだぜぇ〜!

霊壁の鶏料理 以前、当ブログで中華料理の四大菜系の話を書いた。www.morientes.jp 復習がてら、四大菜の名前をあげると、粤菜(広東料理)、川菜(四川料理)、苏菜(江蘇料理)、鲁菜(山東料理)の4つになるが、この他に八大菜系という分け方もある。上…

明治の日本人が選んだ世界の偉人・李鴻章の生家を合肥に訪ねる!

李鴻章故居 昨日は宿州は霊壁なんていうスーパーマイナーなスポットを紹介したが、そもそも安徽省自体がマイナーではないかと思い至った。www.morientes.jp 安徽省の主要観光地といえば黄山くらいで、さしたる観光地もなければ、日本企業の進出もさして多く…

陸の孤島に美女の墓。安徽省霊壁へ虞美人に会いに行く!

安徽省宿州市霊壁にある虞姫墓 まずは訂正記事から。先週、公開した「好き者たちの夢の跡。夫差が美女を囲った霊岩山で浮世を想う」にて、中国四大美女の中に覇王・項羽の妻である虞姫(虞美人)を誤って入れてしまった(正確には呂布の妻・貂蝉と虞美人を勘…

ようこそ呉服の故郷へ!蘇州でシルク&刺繍の歴史を知る!

呉服として知られる蘇州のシルク 台風襲来に父親の手術といろいろなことが重なり、更新がしばらく途絶えてしまった。申し訳ないです! 気を取り直して、続けたいと思います。 tenki.jp さて、蘇州はかつて「呉」と言ったが、この呉と日本はなにかと縁がある…

好き者たちの夢の跡。夫差が美女を囲った霊岩山で浮世を想う

蘇州木瀆・霊岩山山頂 世界三大美人は?と聞かれ、クレオパトラに楊貴妃、小野小町と答えるのは世界広しといえど日本人だけだろうが、なんと楊貴妃については洋の東西を問わず認められているらしい。 matome.naver.jp では、本場・中国は?といえば、楊貴妃…

街道をゆくでも取り上げられた川と並行に架かる橋・蘇州宝帯橋を訪ねる!

蘇州・宝帯橋 蘇州駐在者のバイブルと言われる一冊の本がある。司馬遼太郎の<街道をゆく>19巻「中国・江南のみち」だ。 単に蘇州と杭州が舞台というだけの話だが、上海や北京ではなく、蘇州というマイナースポットに駐在する人にとって、本で取り上げられ…

中華料理の源泉を求めて!四大菜系の首・山東料理を味わおう!

孔府菜の代表料理・一品豆腐 中華料理と一口に言っても地方ごとに特色があり、それこそ星の数ほど存在するが、大雑把に括ってしまうと、四大菜系(菜:cài=ツァイは料理のこと)に分かれるらしい。 ・粤菜(yuè cài)ユエツァイ:広東料理 ・川菜(chuān cà…

廃船に浮かぶ濼口浮橋から中華文明の源泉・黄河を眺望する!

濼口浮橋から見る黄河 山東省の都市と聞いて、最初に思い浮かぶのはおそらく青島(qīng dǎo:チンダオ)だろう。日本で中国ビールの定番といえばチンタオだが、それは中国でも同じ。また、青島は国内有数の観光地であるほか、有数の商業都市でもあるから、中…

これぞ最強の受験祈願?孔子の故郷・曲阜孔廟へ詣る!

曲阜・孔廟 山東省に曲阜(qū fù:チューフー)という街がある。ちょうど北京と上海の中間地点にある街で、近くには霊山として知られる泰山がある(49日に転生先の性別や寿命を決める泰山王は、この地の冥界信仰の王様のことで、山自体が地獄のモチーフにも…

【閑話休題】中国に行ったら見たい!京劇や雑技などの伝統演劇の基礎をおさえよう!

Photo by (c)Tomo.Yun(http://www.yunphoto.net) 僕が中国に興味を持ったきっかけのひとつに京劇がある。正月の深夜、たまたまテレビをつけたところ放映していたのが陈凯歌(chén kǎi gē:チェンカイグー)監督の映画「霸王别姬(bà wáng bié jī:バーワン…

車から下車できるサファリパーク・常州淹城野生動物世界で動物と触れ合おう!

常州淹城野生動物世界 前回の「テーマパークと侮るなかれ!中華恐竜園で本物の恐竜の化石を見よう!」にて、常州恐竜園はその絶叫マシンのラインアップといい、上海からの距離感といい、まさに中国の「富士急ハイランド」という話を書いた。 www.morientes.j…

テーマパークと侮るなかれ!中華恐竜園で本物の恐竜の化石を見よう!

常州・中華恐竜園 上海ディズニーランドができる前、上海人にとってのテーマパークといえば、身近なところで「錦江楽園(ハッピーバレー)」、足を伸ばして蘇州の「蘇州楽園」に常州の「中華恐竜園」と相場が決まっていた。特に人気があったのが「中華恐竜園…

四川のメインイベントはやっぱりパンダ!パンダ基地でパンダ三昧だ!

成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地 なるべくニッチな観光地を紹介してきた当ブログであるが、今回だけは許してください。なんせ、パンダが大好きなもんだから…。 成都特集第三弾は、やっぱりパンダ。四川料理も川劇も所詮は前座であって、メインイベントは…

エンタメ要素満点の伝統芸能・川劇「変臉ショー」を楽しもう!

変臉ショー 成都特集第二弾は伝統芸能「川剧(chuān jù:チョアンジュー)」を取り上げたい。中国に地方劇は星の数ほどあれど、この川剧がー京劇を除いてー突出して有名なのは、ひとえに「变脸(biàn liǎn:ビェンリェン)」のためだと思われる。日本語では…