テーマパークと侮るなかれ!中華恐竜園で本物の恐竜の化石を見よう!
上海ディズニーランドができる前、上海人にとってのテーマパークといえば、身近なところで「錦江楽園(ハッピーバレー)」、足を伸ばして蘇州の「蘇州楽園」に常州の「中華恐竜園」と相場が決まっていた。特に人気があったのが「中華恐竜園」で、最新の絶叫マシンが集まることで有名。上海から高速で飛ばしても2時間ほどかかることから、中国の富士急ハイランドのような存在だと言っていい。
上海ディズニーのオープン以来、話題はすっかり奪われてしまったが、錦江楽園が閑古鳥が鳴くのに対し(ハッピーバレーは度重なる故障で悪評がつきすぎた)、中華恐竜園は未だに人気が衰えることはないと聞く。やはりディズニーとはニーズが異なるのだろう。
中国のテーマパークというと、ディ○ニーやサン○オなどのパクリが日本では話題となっているが、中華恐竜園はそういったB級遊園地とは一線を画している。意外にちゃんとしてるのだ。パークのあちこちに恐竜をモチーフにしたアトラクションやオブジェを配し、ちょっとしたジュラシックパーク気分。そんな点も、人気が衰えない理由なのであろう。
さて、そんな中華恐竜園だが、実は目玉は絶叫マシンではない。語弊を恐れずにいえばアトラクションはサブ的存在。メインはパーク中央に鎮座する「中華恐竜館」。多数の化石を展示する博物館だ。通常、テーマパークに展示される化石などは、大抵レプリカであることがほとんどなのだが、ここ中華恐竜館に展示されている化石はなんと本物! しかも中国国内でも貴重なものも含まれる。ここでは、中でも国宝級とされる三点の化石を紹介しよう。
●シャントンゴサウルス
巨型山东龙(jù xíng shān dōng lóng:ジューシンシャンドンロン)
山東省の白亜紀後期の地層から発見された恐竜。体長は15mで、鳥盤類(剣竜(ステゴサウルス)、曲竜(アンキロサウルス)、角竜(トリケラトプス)、カモノハシ竜が代表)最大の恐竜と言われている。鳥のようなクチバシを持ち、地面に生える草を刈り取るように食べていた模様。なお、恐竜博物館ではゴジラ型に化石が展示されているが、巨体を支えるため、ほぼ四足歩行していたと考えられる。
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●ルーフェンゴサウルス
许氏禄丰龙(xǔ shì lù fēng lóng:シューシルーフェンロン)
ジュラ紀前期に生息していた全長7mの古竜脚類(プラテオサウルスやアンキサウルスなど)の恐竜。雲南省の禄豊県で発見されたことから、この名がついた(中国語の許氏というのは発見者の楊鐘鍵という学者がドイツの生物学者であるテオドール・シュワンの中国名「许耐登:xǔ nài dēng(シューナイデン。全然違う!)」の名前から取った。日本では無名だが、中国では有名らしい)。胃石が見つかったことから草食だったと推測される。プラテオサウルスとほぼ同じ特徴を持ち、二足歩行をしていたと考えられる。
●シノサウロプテリクス
中华龙鸟(zhōng huá lóng niǎo:ジョンファーロンニャオ)
白亜紀前期に生息していた全長1mの小型羽毛恐竜。1995年、遼寧省で恐竜としては世界で初めて羽毛が残った状態で発見された(始祖鳥は恐竜ではなく鳥)。鳥類とも遠縁のコンプソグナトゥス類で、小動物や昆虫等を捕食していたと考えられる。また、羽毛の色は背中から尾にかけてはオレンジ色で、尻尾は縞模様だったとされる。
なお、羽毛については大型肉食竜から身を隠すためのカモフラージュ効果があったという説もある。
以上の3つは必見だが、他にも貴重な化石が展示されている。中国独自の恐竜が多いだけに、日本ではなかなか見られない貴重な資料だ。
●チンタオサウルス
棘鼻青岛龙(jí bí qīng dǎo lóng:ジービーチンダオロン)
博物館中央に展示され、シャンドンゴサウルスと並んで目立つ化石のひとつ。ユニコーン状の突起が特徴で、一角獣のようなイメージだったが、その後の研究でニワトリのトサカのような形状だったことがわかっている。シャンドンゴサウルス同様、鳥盤類の恐竜。
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●マメンチサウルス
马门溪龙(mǎ mén xī lóng:マーメンシーロン)
これもかなり目立つ化石だが、それもそのはず、全長は20〜35mにも及ぶ。アジア最大級の大きさを誇る恐竜だ。四川省の馬門渓から発掘されたことから名付けられたとおり、中国でよく発掘される化石の一つ。他の大陸からも発掘されるが中国産は特に首が長いらしい。化石を見ても、図を見ても思うが、ちょっとアンバランス。
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●ヤンチュアノサウルス
甘氏四川龙(gān shì sì chuān lóng:ガンシースーチョアンロン)
こちらも四川省で発見された恐竜。全長7mの肉食恐竜で、アロサウルスの仲間。写真では分かりづらいが、脊椎のトゲトゲが特徴。
By Creator:Dmitry Bogdanov - dmitrchel@mail.ru, CC 表示 3.0, Link
ほかにも、日本人にもお馴染みの恐竜も展示。
●トリケラトプス
三角龙(sān jiǎo lóng:サンジャオロン)
●ステゴサウルス
剑龙(jiàn lóng:ジェンロン)
さすがは世界有数の恐竜の化石の出土地だけあり、豪華なラインナップ!恐竜好きはぜひ中華恐竜館に行って、ついでに絶叫マシンを楽しんでほしい。大丈夫だと思うけど、くれぐれも自己責任で!
<DATA>
中华恐龙园
交通:常州駅からバスY2路で龍滄路河海路下車、徒歩12分(1km)
時間:9:00-22:00
料金:大人260元・こども130元(2日券は大人298元・こども180元)
<今日の中国語>
过山车(guò shān chē)グォシャンチェー:ジェットコースター
跳楼机(tiào lóu jī)テャオロウジー:フリーフォール
摩天轮(mó tiān lún)モーティエンルン:観覧車
侏罗纪公园(zhū luó jì gōng yuán)ジュールオジーゴンユェン:ジュラシックパーク
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