とっても甘〜い小籠包・無錫小籠包を老舗「王興記」でいただく!
湖南料理は辣(là:ラー=辛い)、四川料理は麻(má:マー=痺れる)とよく言うが、それに当てはめれば無錫料理は甜(tián:ティエン)である。とにかく甘い。別にデザートを食べているわけではなく、普通のおかずが甘いのだ。
その代表例が無錫小籠包(wú xī xiǎo lóng bāo:ウーシシャオロンバオ)だろう。小籠包というのは、本来、肉汁の旨味を味わう料理だと思うのだが、無錫の小籠包は旨味の前に甘さがくる。そう書くと、なんだか不味そうと思えるが(実際、書いてる本人も不味そうに思ってしまうから仕方ない)、慣れてくると不思議なもので、甘くないと物足りなくなってしまう。ともかく他の地方では味わえない小籠包だけに、無錫に行ったらぜひ試してみたい。
さて、無錫小籠包は名物だけに、様々な店で提供しているが、やはり本場の味を求めるなら王興記(wáng xīng jì:ワンシンジー)だろう。今や12店舗も無錫市内に展開しているが、できれば中山路本店で食べたい。なんせ1913年の創業以来、ずっとこの地にあるのだ。
食べ方は、一般の小籠包同様、黒酢につけていただく。皮の味は普通の小籠包と同じだが、中からじゅわっと出てくる肉汁が甘い。そして肉自体もほんのり甘い。普通の小籠包に比べ、黒酢を多めにつけるのがオススメだ(黒酢がたくさん摂れるので、即ち身体にもいい)。
小籠包はほかに蟹粉(xiè fěn:シエフェン)小籠包と蟹黄(xiè huáng:シエホワン)小籠包がある。蟹粉は上海蟹の身にカニミソを加えたもので、蟹黄はカニミソのみ。これを肉に混ぜて皮で包んだものだ。一般の小籠包に比べ、少々値段がはるが、興味があれば注文するといい(ちなみに甘いことに変わりはない)。
なお、これだけ老舗と書いておきながら何だが、王興記は本来、小籠包の専門店ではない。実は創業当初は馄饨(hún tun:フントゥン)、すなわちワンタンの専門店だったのだ。もちろんワンタンは今も健在で、昔ながらのシンプルな味が特徴。おそらく肉餡は小籠包と同じものを使用しているはずだが、小籠包より肉の量が少ないからか、甘さが抑えられている気がする。正直、小籠包を2つも3つも頼むくらいなら、代わりにワンタンを1つ注文することをオススメしたい。
ちなみに、この王興記、知らなかったのだが、中国の他の地方への進出をすっ飛ばし、横浜中華街に出店していたらしい。2012年に閉店したとあるから、もう7年も前のことになるが、当時のメニューを見るとフカヒレやエビチリなど、無錫の店舗では全く扱っていない料理を提供していた模様(ある意味、中華街らしいメニューばかり)で、ワンタンも小籠包もフューチャーしていなかったと思われる。んー、それじゃ売れない!100年の誇りを胸に出店して欲しかったと、残念でならない。
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<DATA>
王兴记中山路店
交通:無錫駅から地下鉄1号線で三陽広場下車、徒歩9分(690m)。
時間:6:30-20:30
<今日の中国語>
甜品(tián pǐn)ティエンピン:デザート
鱼翅(yú chì)ユーチー:フカヒレ
干烧虾仁(gàn shāo xiā rén)ガンシャオシャーレン:エビのチリソース炒め。中国では日本料理の認識
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