あの南京で日本を発見!中国随一の温泉リゾート湯山で温泉に浸かる
南京は、日本人には行くのに躊躇する場所だ。実際、タクシーに乗った際、当時の通訳くん曰く「とても通訳できる内容ではない」と言うほど罵詈雑言を浴びされたこともあったし、地下鉄の駅で身分証の提示を求められたのでパスポートを出したところ、慌てて「しまえ!」と注意されたこともあった。無論、そんな人はごく一部だろうが、少なくとも親日的な場所ではないことは確かだ。
では、南京は避けるべきかと聞かれれば、立ち寄らないのはもったいないと答えてしまう。なぜなら、南京には中国随一の温泉があるからだ。
湯山(tāng shān:タンシャン)という。
南京は山に囲まれた盆地だが、市街東部、ちょうど中山陵や明孝陵のある山を越えたあたりが、湯山と呼ばれる地域だ。最近、中国は温泉ブームで、あちこちに温泉設備が作られているが、火山国ではない中国で温泉など出るわけもなく、その多くが「湯山の湯を持って来た」というのを売りにしている。日本で言えば、箱根や熱海の存在に近い。
湯山には1500年の歴史があると言われているが、これは眉唾に近い。というか、そもそも中国人には湯に浸かる習慣がないからだ(大半の中国人はシャワーで済ますため、湯船のある部屋を探すのに苦労する)。では、なぜ湯山が発展したかといえば、ある人物がこの地に別荘を建てたからだ。そう、中華民国初代総統の蒋介石である。
蒋介石といえば、水と油の関係であった毛沢東と手を組み、共に抗日戦線を繰り広げた人物であるが、もともとは日本に留学し、さらに日本陸軍にも所属した(士官候補生だった!)知日派。おそらく温泉もその時に知ったと思われる。蒋介石の温泉好きは有名で、プロポーズも有馬温泉でしたほど。民国の首都は南京であったから、近くに温泉が出ると知ったら居ても立っても居られなくなったのは想像に難くない。
蒋介石の別荘である「蒋介石湯山温泉別墅(jiǎng jiè shí tāng shān wēn quán bié shù:ジャンジエシータンシャンウェンチュエンビエシュー)」は、湯山の中心地にあり、当時の様子が復元されている。湯山に行った際にはぜひ立ち寄りたい。
最後に、ぜひとも蒋介石の別荘でひとっ風呂と思っていたのだが、残念ながらここでは温泉に浸かることはできない。そこで、湯山のオススメ温泉宿をグレード別に紹介しておく。
●最高級グレード
バリの超高級リゾートホテルとして知られる「カユマニス」が、なぜか南京に進出。部屋は全て、一棟まるまる貸切のプライベートヴィラタイプで、なんと全ての部屋に露天風呂付き。大自然の中、ゆったりと温泉を楽しみたい。ちなみに宿泊費は一番安い部屋でも4180元(約6万6000円)。新婚旅行など、特別な日ならいいけど、湯山で新婚旅行ってのもね…。
住所:南京市江寧区湯山街道温泉路12号
●一般グレード
中国でホテルやサービスアパートメントを経営するレガリアグループ傘下のリゾートホテル。一泊900元〜1500元(約15000〜24000円)と中国にしてはそこそこ高いが、日本だと一般的なお値段でリゾートライフが楽しめる。客室のお湯は温泉ではないが、別室に貸切温泉を用意。カップルや家族で来た場合、一緒に温泉を楽しめるのが嬉しい。ちなみに以前は宿泊すると貸切風呂のチケットがもらえたが、現在は不明。
住所:南京市江寧区湯山街道泉韵路9号
●庶民グレード
様々な温泉を体験できる、日本でいう小涌園ユネッサンみたいな温泉施設が併設されたホテル。水着を着用して入る中国ではスタンダードな温泉スタイルで、雰囲気もへったくれもないが、子連れやカップルの場合、一緒に楽しめるのがいい。価格は500元(約7900円)からとリーズナブルで、中国のCtrip(中国で定番の予約サイト)を覗くと温泉施設のペアセット券付きで600元(約9500円)くらいで入手できる(日本語版にはセットプランがないので、中国語版で予約すべし)。
住所:南京市江寧区湯山街道温泉路8号
なお、湯山の泉質は柔らかく、温泉にはうるさい日本人からも概ね好評。特に中国を長旅する際は、癒しを求めてぜひ寄ってみたい。
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<DATA>
蒋介石汤山温泉别墅
交通:南京駅から地下鉄3号線に乗り大行宮で2号線に乗り換え馬群で下車。そこからバスd19路に乗り、湯山下車、徒歩3分(240m)。
時間:9:00-17:00(12:00-13:00は休憩)
料金:16元
<今日の中国語>
泡温泉(pào wēn quán)パオウェンチュエン:温泉に入る。温泉に行く、という時は「泡」という動詞を使うのが一般的。
洗澡(xǐ zǎo)シーザオ:身体を洗う
游泳衣(yóu yǒng yī)ヨウヨンイー:水着
毛巾(máo jīn)マオジン:タオル
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