アラウンド・チャイナ

ガイドブックにはあまり載らないニッチな中国旅行指南

【閑話休題】真夏の夜の夢。上海周辺の夏限定イベントをチェック!

f:id:morientes-jp:20190809150955j:plain

提供:フリー素材ぱくたそ(www.pakutaso.com)

 さて、8月も残すところわずか!

 今年の夏は暑すぎて、昼間に旅行なんてしてらんない!ということで、今回の閑話休題は夜に楽しめる夏季限定イベントについて取り上げたいと思う(もっと早くやるべきだったんだけど)。今回は無錫、蘇州、上海から一つずつピックアップ。この機会にぜひ参加してほしい。

 

無錫・蠡園

f:id:morientes-jp:20190809145602j:plain

ド派手なライトアップが施された蠡園の入口

 無錫の太湖沿岸にある庭園「蠡園(lǐ yuán:リーユェン)」。随分、難しい漢字を書くなと思うだろうが、この「蠡」は春秋時代・越王勾践(臥薪嘗胆で有名な人)の宰相である范蠡(fàn lǐ:ファンリー)から取られたもの。ちなみに、何を隠そう、このブログのアイコンになっているおじさんも、実は范蠡である。

f:id:morientes-jp:20190809152624p:plain

俺だよ、俺。ファンリーだよ!

 しかし、なぜ越(今の浙江省)の国の宰相が無錫の庭園の名前になっているかといえば、絶世の美女とうたわれた西施とこの地に逃避行したという伝説が残っているからである。

 …あれ、西施は旦那である夫差が勾践に殺されて、絶望して、わざわざ蘇州から杭州に行って西湖に身投げしたんじゃなかったっけ?(詳しくは「一元札片手に西湖に浮かぶ島へ!中国人の西湖への偏愛の秘密も考察する」を参照)

 無錫に残る伝説によると美女の計を夫差に仕掛け、目論見通り呉を滅ぼしたが、復讐を果たした勾践の刃が自分に向けられることを察した范蠡が(この時代は自分の地位を守るため、功労者であっても才能のある人間は殺してしまうのが一般的。こわっ)、西施を連れて逃げて行ったとされる。

 …ん、西施とどういう関係だったの? 恋人だったならなぜ敵の王と結婚させた? はたまた、勾践から逃げるんだったら、なぜ蘇州のお隣の無錫という手近な場所で済ませたの?と、かなりツッコミどころ満載なのであるが、なんせ今から2500年前の話。ホントのことなんて誰もわかりっこないのである。

 さて、話がだいぶズレたので、本題である夏イベントについてお伝えしよう。蠡園では毎年、「螢火虫節(yíng huǒ chóng jié:インフォーチョンジエ)」を開催している。螢火虫とは、字を見ればなんとなくわかるようにホタルのこと。毎晩、太湖に向かってホタルを放ち、その光を楽しむイベントだ。

 普段、17:30で閉まってしまう園内もライトアップされる様子が見られるのは、「螢火虫節」の時期だけ。范蠡と西施になりきって、カップルで湖畔でゆったりとホタルの光を楽しみたい(どっかに西施みたいな絶世の美女いないかなー)。

f:id:morientes-jp:20190809145629j:plain

園内はライトアップされるので明るい

f:id:morientes-jp:20190809145651j:plain

こうまで明るいとホタルが見えるのか心配

f:id:morientes-jp:20190809145709j:plain

湖畔に一斉にホタルを放つ。右下の光ってるのがホタル

f:id:morientes-jp:20190809145725j:plain

一匹つかまえた。ちなみに園内ではホタルも売っている

<DATA>

蠡园

交通:無錫駅よりバス楽遊1号線で蠡園下車、徒歩3分(200m)

※今年も開催されているか確認がとれませんでした。開催の有無、時間、料金などは直接お問い合わせください。

goo.gl

 

<PR>海外格安航空券が24時間Web予約可能!

 

蘇州・網師園

f:id:morientes-jp:20190809144638j:plain

昼とは違った趣きのある夜の網師園

 網師園は、「2つの仕掛けを知ってれば楽しさ倍増!蘇州庭園を見に行こう!」で漏窓について紹介したが、この庭園も「夜花園(yè huā yuán:イェファーユェン)」というイベントを毎年夏に開催している。通常の入場料が40元なのに対し、夜花園はなんと100元! 倍以上高いことになる。

 そのまま居座れば入れそうだと思うだろうが、通常の営業は17時にクローズし、19時30分より再営業するという仕組み。さすがに2時間半も隠れているのは不可能だし、仮に可能だとしても不毛だ。

 しかし、なぜ倍以上も高いのか?この「夜花園」は単なるライトアップする夜間イベントではないからだ。網師園は邸宅部分がほぼ完全に残る、いわゆる私家庭園である蘇州園林の見本のような庭園なのであるが、その邸宅部分をこのイベントではうまく活用している。邸宅の様々な場所で歌や踊り、演奏などが行われており、それを歩いて巡回していく仕組み。いかにも昔の金持ち士大夫たちが行なっていたような趣向であり、それが夜の庭園というシチュエーションも相まって、非現実的な雰囲気を作り上げている。

f:id:morientes-jp:20190809144729j:plain

中国の尺八「洞簫」の根が鳴り響く。タイムスリップした気分

f:id:morientes-jp:20190809144802j:plain

化粧がないが崑劇だろうか?崑劇は私邸で演じたのが発祥

f:id:morientes-jp:20190809145201j:plain

語りと歌を織りまぜる伝統芸能の評談

f:id:morientes-jp:20190809145242j:plain

古琴の演奏。ロケーションは申し分ない

<DATA>

网师园(wǎng shī yuán:ワンシーユエン

交通:蘇州駅より地下鉄4号線で三元坊下車、徒歩約17分(1.3km)。

時間:19:30-22:00

料金:100元(当日19:00までに要予約)

goo.gl

 

 上海迪士尼楽園

f:id:morientes-jp:20190809172531j:plain

夜のメインイベント「夜光幻影秀」

 さて、最後は「上海迪士尼楽園(shàng hǎi dí shì ní lè yuán:シャンハイディシニールーユェン)」、上海ディズニーランドを取り上げたい。ずいぶん毛色が異なるが、いわばディズニーランドは現代版の庭園。春秋戦国時代の范蠡に始まり、明代の蘇州庭園と考えると、バランスがいいように思う(こじつけだけど)。というか、上海はナイトライフが盛んな地域だけに、夏季限定というのは難しいという事情もある。

 とはいえ、上海ディズニーだって、もちろん普段から夜も開園している。では、なぜディズニーかというと、8月31日まで限定で「酷爽下午场票(kù shuǎng xià wǔ chǎng piào:クーシュアンシャーウーチャンピャオ)」を販売しているからだ。

 「酷」は「クール」の意味で、中国でよく使われる当て字。「爽」は文字通り「爽やか」だから、クールで爽やかに過ごせる夕方入場のチケットの意味となる。4時から入れる「アフターフォー」チケットのことだ。通常の入園料は大人575元(約8630円)に対し、アフターフォーチケットは329元(約4940円)と3500円以上もお得。しかも、なぜか30元(約450円)分の商品券までついてくる。だったら、その分、チケット大を安くしてほしいと思うのは僕だけではあるまい。

 上海には東京のようなナイトパレードがなく、見られるショーはキャッスル前で行われる「点亮奇梦:夜光幻影秀(diǎn liàng qí mèng yè guāng huàn yǐng xiù:ディエンリャンクチーモン・イェグァンファンインシュウ)」くらいだ(名前ながっ)。ちなみに夜光はライト、幻影秀はプロジェクションマッピングのこと。このナイトショーに限らず、上海のイベントはトイストーリーにスターウォーズ、パイレーツ・オブ・カリビアンと最近の作品をモチーフにしたものが多いのであるが、おそらく昔の中国ではディズニーの放送が制限されていたため、多くの人が昔の作品には馴染みがないため。シンデレラや白雪姫がフューチャーされる日本とは対照的でおもしろい。

 なお、イベント以外の見所としては、やはり「TRON」(中国語では「创」(chuàng:チュアン)と言うが、おそらくみんなピンとこない)だろう。なんせ日本にはないアトラクションであるし、最初、外に出るのだが、夜の方が映画の世界観にもピッタリ合う。おそらくアフターフォーで入ると、すでにファストパスはないだろうが、並んでも乗る価値はある。

f:id:morientes-jp:20190809181517j:plain

トロン。日本にはないバイク型のライドアトラクション

<DATA>

上海迪士尼乐园

交通:地下鉄11号線で迪士尼乐园下車、徒歩約6分(480m)。

時間:16:00-22:00(アフターフォーで入園の場合)

料金:大人329元、子供・老人246元 ※子供は1.0m-1.4mまでが対象。老人は65歳以上。1m以下の子供は無料

goo.gl

 

<PR>ディズニーを1日満喫したいという人は予約購入がお得!

上海ディズニーランド☆Eチケット

 

↓ ランキングに参加してます。よろしければクリックを 

にほんブログ村 旅行ブログへ