アラウンド・チャイナ

ガイドブックにはあまり載らないニッチな中国旅行指南

はるばる来たぜ、嘉峪関!長城の最西端で万里に思いを馳せる

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嘉峪関

 中国版新幹線は、以前「2つの仕掛けを知ってれば楽しさ倍増!蘇州庭園を見に行こう!」を書いた時に紹介したように、高铁(gāo tiě:ガオティエ)と呼ぶ。高速鉄道の略だ。高鉄の車両番号は「G」から始まるが、新幹線でも「D」から始まるものがある。动车组(dòng chē zǔ:ドンチャージュ)だ(正式には中国標準動車組というらしいが、みんな動車組とか動車としか呼んでいない)。この「G」と「D」の違いは、走るレールにある。専用に作られたレールを走るのが高鉄既存のレールを走るのが動車組だ。例えば上海・南京間は高鉄の直通だと1時間で結ぶが、動車の場合、直通でも2時間かかってしまう(普通の電車は4時間かかる)。

 なぜ、こんな話を始めたかというと、シルクロードにも動車組が走り始めたからだ。西安から今回紹介する嘉峪関まで、以前は約15時間かかっていたが、動車組が開通し、約9時間にまで短縮した(ちなみに蘭州までなら高鉄が開通し、以前は8時間かかっていたが、今や3時間で行けるようになった)。

 なお、動車組が開通したのは嘉峪関までであって、その先の、いわゆる新疆ウルムチ自治区へは未開通。おもしろいと思うのは、今も昔も嘉峪関が中国の勢力圏の西端だということだ。

 嘉峪関(jiā yù guān:ジャーユーグァン)はいわゆる万里の長城の西の端にあたる。砦が作られたのは1372年、明朝初期の頃で、ティムール軍の侵攻に備えるために作られたという。驚くべきことは、この嘉峪関が数ある万里の長城の遺跡の中で、唯一、当時のまま現存しているということ。つまり、14世紀に建てられた遺跡に直接触れ、立つことができるというわけだ。

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砂漠の上に立つ嘉峪関。エジプトの遺跡のようにも見える。

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 てっきり復元したものだとばっかり思っていたのは、あまりにも綺麗な状態だからだ。第一に黄土を固めた壁を使っているため、古ぼけて見えないというのがある。何よりも砂漠のため、乾燥しているため、劣化しないというのが一番なのだろう。

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砲台やパオを使って当時の様子?を再現。こういうのいらない。

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異民族を弓で射抜くという、悪趣味なアトラクション

 要塞の中はドリンクスタンドに射的場しかなく、とりたて見るべきものはないのだが、やっぱり、ここは長城。壁に登るとやっぱり素晴らしい!見渡す限りの砂漠の中、渤海湾から伸びているのであろう壁が一筋の線を描いているのが見える。壁はそんなに高そうに見えないので、あれで異民族の侵入を防げるのかと思うのだが、考えてみれば異民族が押し寄せてくる時には、事前に兵を配備するだろうから、壁の高さはそれほど重要ではなかったろう。むしろ、まわりは砂漠で身を隠す所などないから、壁の存在は、さぞ効果的だったに違いない。

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要塞の壁から下を見る。かなりの高さがあることがわかる

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渤海湾から延々と壁が伸びる。北京近郊の長城とは別の趣き

 現存する長城の長さは6,259.6kmと言われる。その端っこにいるのだと思うと、中国のスケールの大きさを実感しないわけにはいかないし、改めて遠くに来たものだと身に沁みてくる。

 

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嘉峪关关城

交通:嘉峪関駅からバス4露で関城景区下車、徒歩4分(300m)

時間:8:00-20:00 ※11/16-4/15 9:00-17:30、4/16-6/30及び10/11-11/15  8:30-18:00

料金:120元

goo.gl

 

<今日の中国語>

火车站(huǒ chē zhàn)フォチョージャン:鉄道の駅

检票口(jiǎn piào kǒu)ジェンピャオコウ:改札口

长城(cháng chéng)チャンチェン:万里の長城

 

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