北京ダックの源は南京にあり!南京湖南路の鴨料理で食いだおれる
北京ダックは有名だけど、南京ダックなんて知ってた?
前回、南京原人を取り上げた際、その施設の展示方法もあってB級スポットのような紹介の仕方をしてしまったが、今回はそんなつもりはございません! なぜなら、南京の鴨料理は伝統があるばかりか、北京ダックに影響を与えたことがハッキリと判っているからである(鴨とアヒルは厳密には別物だが、中国で料理の鴨は通常、アヒルを指すので、乱暴だが鴨とアヒルを同じものとして話を進める。ややこしい)。
南京の鴨料理といえば、古くは南北朝時代のグルメ書「食珍録」に炙鴨として掲載されているが、広く普及したのは明の時代だと言われる。かの明の初代皇帝・朱元璋はこの烤鴨(烤は焼くの意味)が大好物で、一説では毎日食べていたとか。ご存知の通り、明は三代皇帝永楽帝の時代に北京に遷都するのだが、この際に南京の烤鴨は北京の宮殿に伝えられ、以来、北京ダックと呼ばれ、北京を代表する料理となった。つまり、朱元璋の鴨好きがなければ、北京ダックは生まれていたかわからないし、これほど有名な料理にはならなかったと思われる。
この南京烤鴨(便宜上、南京ダックと呼ぶ)と北京ダックの大きな違いは、宮廷料理である北京ダックに対し、南京ダックは庶民の料理であるということだ。したがって南京ダックは大きくぶつ切りで、北京ダックのように皮だけを食べる、というようなお上品な食べ方はしない。南京のレストランに入ると、鴨の骨はおろか、頭や足まで食べているのを見て、少々ひいてしまうほど。余すところなく食べるというのが、南京ダックのスタイルだ。
なお、南京の鴨料理は南京ダックだけではない。
パリパリに焼いた南京ダックに対し、塩漬けした鴨肉を茹でて作るのが、この塩水鴨(yán shuǐ jī;イエンシュイジー)だ。最近は海南鶏飯(hǎi nán jī fàn:ハイナンジーファン)のお店が日本でもいくつかできていると聞くが、本場の海南鶏飯では一緒に添える肉として、南京ダックを「紅」、塩水鴨を「白」と呼んで区別している。塩水鴨の方がさっぱりいただける。
なお、全国的に知られている南京料理といえばコレ、老鴨粉絲湯(lǎo yā fěn sī tāng:ラオヤーフェンスータン)だ。
鴨肉は入っておらず、主に腸と肝臓、それに血を固めたものと内臓ばっかりが入っているので、将来的にも日本に上陸をする気がしないが、中国ではどこの街に行っても、この店はある。信じられない話だが、中国では美容にいいと主に若い女の子が食べる。この料理のポイントは料理名に「湯」とつくぐらいで、もちろんスープ。鴨をじっくりと煮込んだスープは鶏出汁の何倍も濃厚。大抵、中国に来たばかりの日本人は、最初は気味悪がって食べられないが、次にスープと粉絲(春雨)が食べられるようになり、しまいには内臓でも何でも食べられるようになる。すると、大抵の人が病みつきになるから不思議だ。
さて、こうした鴨料理は南京のどこで食べられるか? 南京の繁華街といえば夫子廟だが、いわば上海の豫園商城のようなもので、来客する大半が観光客である。したがって美味いものは少ないし、美味い場合は高い。地元の人はといえば、湖南路に行く。
湖南路は南京を代表する美食街で、南京料理だけでなく、様々な各地の中華が味わえる。南京料理を扱う店がもちろん一番多いが、初めて湖南路に行くならオススメしたいのが「南京大牌檔」だ。
カウンターに並んでいる料理をテーブルに自分で運んで食べるスタイル。定員がテーブルをチェックし、伝票に書き込んでいく(香港の飲茶のスタイルに似ている)。料理の種類は豊富で、どれをとろうか迷ってしまうはずだ。
ちなみに湖南路は現在、地下街建設のため、大々的に工事中。南京大牌檔は営業中のようだが、いつ閉まるかもわからない。必ず事前に確認してから訪れたい。
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<DATA>
南京大牌檔南京獅王府店
住所:南京市湖南路獅子橋2号
電話:025-8330-5777
交通:南京駅から地下鉄1号線で玄武門下車、徒歩9分(700m)。
時間:11:00-24:00
<今日の中国語>
北京烤鸭(běi jīng kǎo yā)ベイジンカオヤー:北京ダック
美容健康(měi róng jiàn kāng)メイロンジェンカン:美容と健康。中国ではセットで語られることが多い。
鸭杂(yā zá)ヤーザー:鴨の内臓肉。内臓肉を杂と言い、牛杂や羊杂と呼ぶ。
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