干しぶどうを食べながら、吐峪溝&葡萄溝でウイグル族の暮らしに触れよう!
トルファンには過去二度訪れたが、やはりウイグルに来て思うのは、明らかに中国とは異なる文化圏であるということだ。
そもそもウイグル族は、漢民族とは明らかに顔立ちが異なるし、使う言葉も違う。そして最大の特徴は、ウイグルがイスラム文化圏に属すということだ。街には必ずモスクがあり、朝はアザーンの音で目覚める。ホテルにはサラートを行うための礼拝堂が必ずあるし、食事は羊を好み、豚を忌避する。また、街を歩く姿は圧倒的に男性が多い(イスラムでは女性はあまり外出しない=させない)し、一様にイスラムワッチを被っている。 中国というより、中東と言ったほうがピンとくるくらいだ。
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手っ取り早くウイグルのイスラム文化を味わいたければウルムチのウイグル人居住区(市の南にあることから南疆と呼ばれる。なお、北部は漢族地域で中国全土に「北疆」と名のついたウイグル料理店が多いのは、漢族風にアレンジした新疆料理を出す店が多いため)に行けばいいが、ちょっと現在の情勢的にオススメしない。では、観光地ではどこかといえば、トルファンにある。その名も「吐峪溝麻扎村(tǔ yù gōu má zhā cūn:トゥユゴウマージャーチュン)」だ。
麻扎とは妙な中国語だが、それもそのハズ、マザール(イスラムの聖廟のこと)の音読み。すなわち吐峪溝マザール村は、七聖人墓と呼ばれる聖廟(マザール)を中心とするウイグル族の古集落のことだ。どれくらいの歴史があるのか調べてみたが、中国のサイトでは1700年前から2500年前といった具合で、ほとんどが眉唾(イスラムすら誕生していない)。確かに3世紀頃に仏教の修行僧がこの地に石窟を作ったというから、それを基準にすると1700年前ということになるが、この地にイスラムが伝わったのはおそらくティムール朝の版図に含まれてからだから、早くても14世紀ということになる。それでも600年の歴史があることになる。
古集落といっても今も現役で、多くの家は今も人が住む(長江デルタの水郷の町など、中国は存外、このパターンの観光名所が多い)。とはいえ、彼らの収入のほとんどは観光客相手の物販収入。ニコニコ話しかけられたと思ったら、干しぶどうを買わされる。ま、安いし、美味しいからいいけど。
なお、ウイグル族の生活を見てみたいけど、吐峪溝まで行ってる時間がない、という人は葡萄溝(pú táo gōu:プータオゴウ)に行くといい。名前の通り、葡萄畑が広がっているエリアで、大抵自宅で干しぶどうを作り販売している。
なお、僕がトルファンを訪れたのは、まだまだ平和な時代で、他人の家にズカズカ入っても歓迎されたし、他の人に咎められることもなかった。しかし、今のウイグルは状況が違う。無闇にウイグル人と接触しては、あなたがスパイ容疑に問われるかもしれないし、訪問を受けたウイグル人もまた要らぬ疑いをかけられるかもしれない。
ツアーなどの内容を見ると、まだまだ葡萄農家訪問などがプランに含まれ、行けないことはないのだと思うが(だからこそ、ここで記事にしたのだが)、できるだけツアーなどのルートで訪問するに越したことはないし、今はそうすべきだと思う。そして、一日も早く、当時の平和なウイグルが戻ることを祈ってやまない。
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<DATA>
吐峪沟马扎村
交通:トルファン駅よりタクシーで約1時間45分(89.2km)。トルファン空港からだと約1時間17分(61.5km)
時間:9:00-19:00
葡萄沟
交通:トルファン駅よりタクシーで約53分(42.4km)。トルファン空港からだと約21分(14.7km)
時間:9:00-19:00
<今日の中国語>
葡萄干(pú táo gān)プータオガン:干しぶどう
导游(dǎo yóu)ダオヨウ:ツアー旅行。田舎のツアーだと帽子もお揃いで揃えることが多い。
自助游(zì zhù yóu)ジージューヨウ:自由旅行。最近はこっちの方が人気
间谍(jiàn dié)ジャンディエ:スパイ
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