アラウンド・チャイナ

ガイドブックにはあまり載らないニッチな中国旅行指南

一元札片手に西湖に浮かぶ島へ!中国人の西湖への偏愛の秘密も考察する

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三潭印月

 杭州がいかに風光明媚であるかを表現する言葉として「上有天堂,下有苏杭」がある。「上には天国があり、下には蘇州と杭州がある」、つまり蘇州と杭州は天国と並び称されるほど美しいという意味だ。正直、蘇州の場合、どこが天国のような場所か思い悩む(というか思いつかない)が、杭州の場合はすぐにピンとくる。もちろん、西湖 (xī hú:シーフー)であろう。

 中国人の、この西湖に対する偏愛ぶりは凄まじいものがある。外国人には単なるちっぽけな湖(6.5㎡だから、中国のサイズ感としては小さい部類に入る)にしか見えないが、中国人は「美しい!」を連呼するのである。

 中国人がどれほど西湖が好きなのかは、名前の由来からもわかる。本来、街の西側にあるから西湖と付けられたと思うのだが(中国はこの手の名前のつけ方が多い)、中国四大美女の一人・西施の名前と結び付けられ、やがて西施がここで入水自殺したという説に置き換わってしまった。確かに西施は浙江の出身ではあるが、呉王・夫差と結婚したので蘇州にいたはずで、自殺のためにわざわざ故郷でもない杭州に来たというのも考えづらいのである(そもそも西施は越王・勾践の宰相である范蠡に「美女の計」(美女の美しさに溺れさせ、政治をおろそかにさせること)のため送り込まれた人なので、旦那が死んでも自殺する筋合いがない)。

 また西湖は、中国人なら誰でも知る「白蛇伝」の舞台であり、その白蛇が化けたのもやはり美女であった。

 どうも西湖は美女として擬人化して見られる傾向があるのだろう。中国人が自慢し、少しでも悪口を言われれば烈火のごとく怒るのは、自分の恋人や奥さんのごとく思って煎るのであれば納得である。

 

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 さて、そんな西湖は、どこから眺めるがいいのだろう。中国人に聞けば、それは「西湖十景」だと教えてくれる。日本八景は昭和初期に制定されたが、西湖十景は南宋時代に制定されたというから歴史がある。とはいえ、10カ所も回るのは大変だし、中には肝心の西湖が見えない場所もある。どれかひとつと言われれば、小瀛洲島をオススメしたい。

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島までは遊覧船に乗って行く。

 小瀛洲島は西湖に浮かぶ人工島で、孤山より船でアクセスする。この小瀛洲島の西湖十景は「三潭印月」といって、湖に浮かぶ灯篭に火が灯っている様子を月と一緒に見るというものだ。ちなみに夜は船も出ていないし、上陸も禁止されているので、残念ながら西湖十景にうたわれた光景は見ることができない。

 ちなみに、この場所に行くと、中国人がなにやら財布からお金を取り出し、一緒に見たり、写真を撮ったりしているのだが、実は一元札に描かれた図柄がこの「三潭印月」なのだ。

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一元札に描かれた「三潭印月」

 最近は一元といえば硬貨ばかりで、なかなか札が入手できないのだが、小瀛洲島に行く際は、ぜひ用意しておきたい。

 

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<DATA>

小瀛洲(xiǎo yíng zhōu:シャオインジョウ

交通:杭州駅よりバス7路「新新飯店」下車、徒歩11分(900m)で弧山公園碼頭へ。碼頭から船に乗り、中山公園碼頭で下船

時間:8:00-17:00

料金:55元

goo.gl

 

<今日の中国語>

美丽(měi lì)メイリー:美しい/キレイ

老婆(lǎo po)ラオポー:奥さん ※旦那は老公(lǎo gōng)ラオゴン

船票(chuán piào)チュエンピャオ:船のチケット

 

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