中国なのに中国色が薄い街・寧波は老外灘で欧米気分を満喫する!
仕事で何度か寧波に行ったが、この街はなんとなく落ち着く。なんと形容すればいいのか、他の街に比べ、中国っぽさが少し薄い気がするのだ(単に薄いのであって、決して中国っぽくないわけではない)。なぜかと思い、はたと気がついた。
寧波は海が近いのだ。
中国はユーラシアという巨大な大陸にある国だから、ほとんど海というものを見る機会がない。ひたすら地面は平坦で、田舎に行けば地平線もごく一般的。それはそれで雄大なのだが、いくら進めど景色が変わらず、どこか落ち着かないところがある。一方、寧波は海が近いだけで、海が見えるわけではないのだが、開放感を感じるのだ。
もっとも駅周辺は中国色が色濃く、ここから城隍廟あたりまでは他の地方都市となんら変わらない。薄まってくるのは天一広場を超えた先だ。甬江・余姚江・奉化江の3つの川が合流し、海の香りが漂ってくる。さらに余姚江を渡ると、一気に中国色は薄まる。天主堂という教会(2014年に起こった火災で大きな被害に遭った)があり、その裏に洋館が集まる一角があるのだ。
その名を「老外灘」という。上海の外灘に比べ10年ほど開港が早かったことから、「老」の字を付け加えたらしい。もっとも寧波は上海と異なり、歴史は古く、特に遣唐使の時代は中国の入口で鑑真も最澄もこの港を使った(杭州からバスで2時間!最澄就業の地「天台山」は今も秘境にあった!を参照のこと)。今も寧波港は水深が深く、タンカーが着岸できることから、石油を使った化学産業が盛んだ。
「老」の文字を加えたとは言え、上海のように当時の建物が残っているわけではなく、全てリノベーションされている。ちなみに建物は大抵レストランやバー、マッサージ店などで、観光地というよりも商業施設と言った方がいい。
なお、昼は写真のように閑散として、納品のための小型トラックばかりが行き交う。賑やかになるのは夜で、街はケバケバしくライトアップされる。
それでも甬江沿いの河畔のバーで、ベイブリッジそっくりな橋を眺めながらビールを飲んでいると、やはり開放感を感じる。近年、どこの都市にも欧米のバーストリートができて若者に人気だが、老外灘がそれらと少し違うのは、海が運ぶ風が中国っぽさを薄めてくれているからだろう。
ちなみに、この老外灘、周星馳(チャウ・シンチー)の映画「长江七号」(放題はミラクル7号)のロケ地でもあり、様々なシーンで使われている。もし、老外灘にいく機会があるなら、事前に映画をチェックしておくことをオススメする。
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<DATA>
老外滩(lǎo wài tān)ラオワイタン
交通:寧波駅より地下鉄2号線で外灘大橋下車、徒歩12分(1km)
<今日の中国語>
酒吧(jiǔ bā)ジューバー:バー
菜单(cài dān)ツァイダン:メニュー。メニューをくださいは「给我(ゲイウォー)菜单」
拍摄地(pāi shè dì)パイシェディー:ロケ地
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